PMP試験対策ブログ更新していきます。
私がPMP試験を受けたのが、2019年5月31日でした。その時の試験問題に対する率直な感想はこちらから読むことができます➡️PMP試験合格とPMP試験問題(2019年)の感
今日は、”PMP試験におけるPMI職務規定に関するPMP試験問題”について触れたいと思います。
PMI職務規定に関するPMP試験問題は、概ね以下の2種類のパターンが出題されてきております。このパターンが200題中のどこかに散らばっていると思って頂きたく思います。
- PMI職務規定について、直接問うタイプの問題
- 49のプロセスのどこか(調達マネジメント・変更管理・組織・チームに対しての行動等)のいずれかのプロセスにおけるPMI職務規定を問うタイプの問題
以下、問題の例を取り上げて、解説したいと思います。
(実際の試験問題そのままではないですが、問題形式の感覚はつかめると思います)
問題1)
あなたは海外を拠点とした資源管理システムのプロジェクト・マネジャーとして、現地のVendorやエンジニア達と日々コミュニケーションを取りながら生活しています。
次のうち、グローバルな国際的なプロジェクトにおいて特にPMI倫理・職務規定において、特別問題とならない行為は次のうちどれか。
1. プロジェクト・メンバーによる違法な開発ツールのダウンロードを見過ごすこと
2. プロジェクトで使用する機器を購入した業者から贈答品を受け取ること
3. 人種、宗教、国籍に基いて、リーダーなどの役割や昇給、昇格を決定すること
4. 情実や縁故により、雇用や解雇、契約の締結を決定すること
正解は、2となります。
【解説】
賄賂性のない一般の贈答品については、現地の商習慣に従い、受け取ることが自然な行動とされています。
これ↑って、何も考えないでいわゆる日本の感覚で問題を解くと、賄賂問題となってしまうと考えてしまう方、少なくないと思います。一方で、PMI職務規定には以下のような記載がございます。
<PMI倫理・職務規定 4.3.2)>
贈答品の受領は利益の衝突によって意思決定に影響を与えそうなケースは避けなければならなりません。
<PMI倫理・職務規定 3.2 尊重:理想基準)>
ただし、その国の慣例で、受け取らないことで相手に失礼にあたる場合や、侮辱したと受け取られ兼ねない場合については、相手の国の規範や慣習を優先します。
PMI職務規定のうち、贈答品については、現地の慣習、法律、しきたりを尊重し最終判断することが、PMP試験合格のポイントとなります。
問題2)
プロジェクト・マネジャーであるあなたは、当該プロジェクトのスケジュールとコスト見積りを作成した段階で、上司であるマネジャーから予算上の制約についての具体的なリクエストがありました。
しかしながら、そのリクエスト内容を確認したところ、あなたが見積もったコスト見積もり35%も下回るもので、プロジェクトの成功を考える際は受け入れがたい内容でした。
本件に対するプロジェクト・マネジャーの態度として最も適切なものは次のうちどれか。1つ選びなさい。
1. プロジェクトのスケジュールとコスト見積りは完了しているため、要請を拒否する
2. 想定されるタスクから、積み上げた理論値と、組織の要請である納期、予算や総合的な制約条件を勘案して最終的な調整を図る
3. 上位組織のマネジャーの要請は絶対であり、直ちにプロジェクトの原価見積りを修正する
4. 要望として聞きはするが実際の原価はプロジェクト進行によって変化し、後から計画との差分を問われることもないため、特に気にしない
正解は、2となります。
【解説】
プロジェクトマネジャーは、「想定されるタスクから、積み上げた理論値と、組織の要請である納期、予算や総合的な制約条件を勘案して最終的な調整を図る」ことが求められています。
基本的には、これらの事実に基いて見積りを予測し、リスクやコンティンジェンシーを反映させた見積りに対しては安易に妥協せず、断固として正当性を主張しなければならなりません。
上司が誤った判断をしてきた際は、その間違いを受け入れるのではなく、その問題修正を断固として主張する必要があります(日本の社会文化だと、上司が誤ったことを言ってきた場合、うまく処理しますよね。ここらへんが違うのです!)
一方、見積り作業の後、組織から要請される納期と予算や総合的な制約条件を比較し、最適化を図る作業はあなたが行うべき重要な役割でもあります。組織の要求する内容に注意深く耳を傾け、上位職のマネジャーとともに代替案を検討し、現実的な制約条件のもとで調整を図る必要があります。
利害の衝突が判明した場合、相手との潜在的な利害の衝突を明確にし、その解決を断固として主張するが、当事者同士協力し、現実的な妥協点を見つけることが望ましい。
↑これがPMIの理想とするPMであり、PMP試験合格のポイントとなります。
また、上司の35%以上もずれた見積もりをリクエストしてきた場合や、明らかにプロジェクトの成功が望めない場合は、勇気をもって「プロジェクトの中止を提言する」ことがプロジェクトマネネジャーに求められております。➡この点も、日本の社会文化と違いPMP試験でうっかり失点してしまいますので、注意してください。
PMP試験を受ける際は、皆さんのこれまでのPM経験ではなく、PMIの基準通りに動けるもう一人のPMとして受験していただければ、PMP試験合格が見えてくると思います。
その2➡PMP試験対策ブログ PMI倫理職務規定に関する問題 その2 - PMP試験対策ブログ
<ご参考までに>
PMPの試験内容が変わる(2019年12月から)
➡PMP Exam Content Outline 2019年 日本語版 PMP試験内容が変更 - PMP試験対策ブログ
引き続き、情報が入りましたら更新していきます。よろしくお願いいたします。
<過去のPMP試験に関する記事はこちらから読むことが出来ます>
2019年PMP試験受験時の試験問題に対する率直な感想
➡️PMP試験合格 2019年5月受験ーPMP試験問題の感想 - PMP試験対策ブログ
具体的なPMP試験対策については、こちらから読むことができます。
➡PMP試験対策勉強方法 - PMP試験対策ブログ
PMP試験合格へ向けてPMI-ism Rita本
➡️PMP試験合格 PMI-ismリタ本 - PMP試験対策ブログ
アジャイル開発とは?
➡PMP試験のアジャイル開発試験問題 - PMP試験対策ブログ
<リスクマネジメントの記事>
➡️PMP試験対策講師のリスクマネジメント - PMP試験対策ブログ
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